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｢見捨てられた牛－フクシマより｣ シリーズ
2015年より毎年放射能の降り注いだ希望の牧場（浪江町）に通い、被曝した牛たちをスケッチさせてもらっています。
エサも人手も足りない過酷な状況の中で力強く生きようとする牛たち。しかし、多くの若い牛たちが死んでゆきました。
見捨てられた牛―光あれ 2023-1
25 x 44㎝ 岩絵の具、板戸
見捨てられた牛―光あれ 2023-2
25 x 44㎝ 岩絵の具、板戸
あの事故の起きた日
あたり一面 放射能が降り注いだ
牧場の牛たちは いつものように
のんびりとエサを食べていた
あれから三年 子牛が生まれた
糞尿だらけの牛小屋で
子牛が楽しそうにはね回っていた
浪江町 希望の牧場にて
木蓮と子牛／Magnolia and a Calf
32 x 41cm 岩絵具、雲肌麻紙／Natural Pigments on Hemp Paper
ミニーちゃんという小柄な牛
｢長くは生きられないだろう」
牛飼いは言った
汚染された草を食べ続ける牛たち
被曝しながら生かされてきた牛たち
そっと私に近づいてくる 小柄な牛
脱毛した その鼻の周り
瞳が
まっすぐに私を見つめる
2017年
浪江町 希望の牧場にて
聖なる光 No.1／Holy Lights No.1
110 x 92cm 岩絵具、砂（猪苗代湖）、雲肌麻紙／Natural Pigments Sand (Lake Inawashiro) on Hemp Paper
止まることを知らない国策
原発の推進
もの言えぬ
子牛たちの痛み
赤い牛 No.1／Red Calves No.1
53 x 41cm 岩絵具、藁、雲肌麻紙／Natural Pigments Straw on Hemp Paper
顔の歪んだ牛 クロッキー／Nuclear Cow Distorted Face
54 x 39cm 黒地に胡粉／White Shell Powder on Black
様子のおかしい牛No.1 クロッキー／Nuclear Cow with Something Wrong
54 x 39cm 黒地に胡粉／White Shell Powder on Black
牛舎に保護されていた牛
顔をそむけたくなるほど、
ひどく脱毛していた
脱毛の激しい牛 スケッチ／Sketch
35 x 45cm パステル 紙／Pastel on Paper
